脳性麻痺の障害者との交流記
イラスト集

0 はじめに
1
2 出会い
3 会社の中
4 JTさん入社
5 町に出る
6 レストランへ行く
7 初めて車椅子を押す
  県庁へ行く
8 車椅子に乗ってみる
9 長距離ドライブ
10 ホテルに泊まる
11 電車に乗れない
13 インターネットと福祉
14 養護学校の見学
15 養護学校で講演
16 JTさんの障害の話
18 自動車教習所へ行く
18-0 手動式の車を運転する
18-1 町で見かけた車
19 盲導犬に出会う
22 運動会
23 雨の中レストランへ
24 ギロチン事件
25 災害避難訓練
26 幕張免許センター
27 葛西臨海公園
28 再び車椅子に乗る
29 電車に乗る(前編)
30 電車に乗る(後編)
30-1 鉄道会社の社員の声
31 蔵王のオカマ
32 買い物をする
33 リハビリへ行く
34 薬局での出来事
35 プールへ行こう
36 車椅子でハイキング
 (どうぶつ王国)
38 ふらっと東京湾巡り
39 車椅子の特訓
40 車椅子階段を昇る1
41 車椅子階段を昇る2
42 もしゆきが降ったら
43 東海道新幹線(1)
44 東海道新幹線(2)
45 踏切は恐い
46 野田市の福祉カー

考察
1 再びJTさんの障害の話
2 手を貸す勇気と貸さない勇気
3 リハビリについて考える
4 ハートビル法
レポート
ハワイ車椅子事情
ロサンゼルスレポート1
ロサンゼルスレポート2
ロサンゼルスレポート3

後書き
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東海道新幹線(1)
5月21日 JTさんと愛知県へ行くことになりました。

昨年、山形へ行った時と同じ、JR柏駅の窓口で車椅子対応車両の指定 席を取る試みから始まりました。東海道新幹線は「のぞみ」と「ひかり」 は11号車、「こだま」は5号車が扉も車内もトイレも車椅子に対応し た車両になっています。この車両の切符は東京駅、上野駅、大宮駅など大きな駅で購入するか電話で受け付けしており、一般の窓口では受け付けてくれないことは昨年の山形行きの時に確認していました。しかしどうせ乗車券も購入しなければいけないのだし、最寄り駅での購入を試みたわけです。

柏駅で判ったことは

  • 窓口の駅員さんも私達が見ることが出来る市販の時刻表が全ての情報源であること。
  • 駅では新幹線車内の通路の幅やトイレの位置等の情報は判らないこと。
  • 空いている座席を端末で検索して取ることは出来るが、車両番号や座席番号を指定して取ることはかなり面倒な作業であること。

私達の希望は車椅子で車内まで入れる車両で、禁煙車両であること。できればお手洗いも近くにあること。しかしこの条件を満たす座席を購入するために実は1時間半もかかってしまいまったのです。

直接出向くより電話での予約の方が楽でしょう

まず、駅の端末からでは該当の座席を予約することが出来ないために、駅員さんは窓口を離れ専用の窓口に電話で問い合わせをしました。座席の取れたのですが、禁煙車両の確認が出来ていなかったのでもう一度電話で確認。残念ながら車椅子対応の車両は全ての列車で喫煙席でした。

そこで普通の禁煙車両の一番後ろの座席でトイレに面している場所を指定してみました。
進行方向一番後ろの席であれば車椅子もクラッチも座席と壁の間に置くことが出来るからです。ところが時刻表の情報欄には車両の下り側が1番か上り側が1番かが記載されていません。結局電話で問い合わせていただき東海道新幹線は下り方向の前側が1番で17番が後ろ側になることが判りましたが、最後まで判らなかったのがトイレの位置とトイレが洋式で車椅子のまま入れるか?また通路は車椅子が通れるのか?と言うことでした。
11号車と12号の間に車椅子対応のトイレが有るという事から想像して13号車17番をのDとE席を予約しました。出発は5月21日東京駅11時10分発こだま415号となりました。

昨年の山形行の時に使った切符
通常の乗車券障害者割引の乗車券介助者割引の乗車券
通常の乗車券障害者割引の乗車券介助者割引の乗車券

身体障害者が1人で乗る時の切符
桝桝半升さん提供

当日は8時にJTさん宅に伺い、8時半に予約してあったタクシーが到着。ところでタクシーの後部トランクには液化天然ガスのボンベが設置されています。プロパンガスのボンベのような物です。その為にクラウンクラスの車でもJTさんの車椅子は高さが70センチ有るためにわずかな差でトランクに入りません。そこで車輪を取り外してトランクに収納することになります。

JTさんの車椅子は車輪がワンタッチ取り外しができるようになっている

8時45分 東武野田線野田市駅到着。事前に9時頃車椅子の介助を頼んであったので、すぐに駅員さん2名が手を貸してくれて、階段の上げ下ろしを手伝ってくれました。この日は平日でしたが、通勤時間を若干過ぎていたので座席に座れないまでもすし詰め状態になることもなく柏駅に到着。ここでは駅員さんの手を借りることなく、上りエスカレーターにそのまま車椅子を載せて改札口へ。
そのままJR常磐線の改札口へ進み、「障割」「介割」と印刷された乗車券を見せて、今度は新しく設置されたエレベーターを使ってホームへ。そのまま快速電車に乗って上野駅へ到着。上野駅でも上りエスカレーターにそのまま車椅子を載せてコンコースへ上がり、これも3,4番線に新しく設置されたエレベーターでホームに降りて京浜東北線に乗車。10時過ぎには東京駅に着きました。ここまでの乗り換え2回で駅員さんの手を借りたのは野田市駅だけ。動いているエスカレーターに車椅子を載せるテクニックさえ身につけていれば、待ち時間も無くそれぞれの駅で上下方向の移動も何とかなりました。特に柏駅と上野駅の3,4番線に設置された利用者自身で操作できるエレベーターの設置はとても助かりました。

さて、肝心の東京駅で、地下連絡通路に降りるためには駅員さんが操作するエレベータが有るだけで、下りエスカレータが無いことも確認してありました。本来なら柏駅から上野駅、上野駅から東京駅へと連絡がリレーされて駅員さんが介助してくれるのですが、なまじ自分達で移動できるために途中の連絡が無く、東京駅ホームで駅員さんを捜すはめになりました。「駅員以外の操作は禁ず」と張り紙がされたエレベータの前でJTさんに待っていて貰い駅員さんを捜しても「声はすれども姿は見えず」なのです。

結局鍵がかかっていないそのエレベータを自分で操作して下へ降り、煉瓦作りの秘密の通 路のようなところに出て一般通路へ出ました。

東京駅の秘密の通路。もち
ろんこの写真は駅員さんの居かの上で通った時に撮影した
東京駅の地下にある秘密の通路
煉瓦作りで照明もとても洒落ている
チョット得した気分

ここでチケットトイレに用意されている車椅子用トイレを使い、お弁当とお茶、お菓子を買い込んでいざ東海道新幹線の改札口へ。そこで初めて「三河安城まで行くので到着駅での介助をお願いします」と申し出たところ、案の定「事前に連絡いただけました?ここまでどうやって来たのですか?」と質問されてしまいました。

  • 柏駅は乗客が操作できるエレベーターが設置されバリアフリーになり、事前連絡は不要と言われたこと
  • 途中の駅も介助者1人だけで移動できたので駅員さんの手を借りなかった事

等を説明してようやく納得してもらい、改札で待つこと数分。駅員さんが駆けつけてくれてエスカレーターを使って15番線ホームに上げてくれました。この時点で10時40分。

次続く