0 はじめに 1 私 2 出会い 3 会社の中 4 JTさん入社 5 町に出る 6 レストランへ行く 7 初めて車椅子を押す 県庁へ行く 8 車椅子に乗ってみる 9 長距離ドライブ 10 ホテルに泊まる 11 電車に乗れない 13 インターネットと福祉 14 養護学校の見学 15 養護学校で講演 16 JTさんの障害の話 18 自動車教習所へ行く 18-0 手動式の車を運転する 18-1 町で見かけた車 19 盲導犬に出会う 22 運動会 23 雨の中レストランへ 24 ギロチン事件 25 災害避難訓練 26 幕張免許センター 27 葛西臨海公園 28 再び車椅子に乗る 29 電車に乗る(前編) 30 電車に乗る(後編) 30-1 鉄道会社の社員の声 31 蔵王のオカマ 32 買い物をする 33 リハビリへ行く 34 薬局での出来事 35 プールへ行こう 36 車椅子でハイキング (どうぶつ王国) 38 ふらっと東京湾巡り 39 車椅子の特訓 40 車椅子階段を昇る1 41 車椅子階段を昇る2 42 もしゆきが降ったら 43 東海道新幹線(1) 44 東海道新幹線(2) 45 踏切は恐い 46 野田市の福祉カー 考察 1 再びJTさんの障害の話 2 手を貸す勇気と貸さない勇気 3 リハビリについて考える 4 ハートビル法 レポート ハワイ車椅子事情 ロサンゼルスレポート1 ロサンゼルスレポート2 ロサンゼルスレポート3 後書き 戻る
|
JTさん電車に乗る(後編)
![]()
7月10日 大宮駅で事前に確認した時には当日30分前に来てくれれば、前日の電話連絡は特に必要ないとのことでしたが、私は念のために大宮駅へ電話を入れて7月11日に8時のつばさ181号に車椅子を使うJTさんと介助者として私、その他1名が乗車する事を内勤の方に伝えておきました。さらに行き先が山形駅であり、そちらでも駅員のサポートを受けられるように連絡を頼みました。
7月11日
6時5分 今回の最初の関門は改札を入った直後の5段程度の階段です。改札の駅員がJTさんに対して「自分で歩けますか?」と聞いてきます。確かに車椅子の後ろにクラッチを縛り付けていますから歩けるのかと聞いてきたのかも知れませんが、ここは是非とも車椅子ごと担いで階段を昇ってみたかったので尽かさず「ごめんなさい。手を貸して欲しいのですが」と伝え、駅員さんとSさん、そしてJTさんのお母さんが車椅子ごと階段を持ち上げました。私はというとその様子を写真に撮ったり、ビデオカメラを回したりで見ているだけ?! 駅員から「一番前の車両で大宮駅まで行ってください」ということで、改札口がある一番後ろから一番前までホームを車椅子を移動させます。愛宕駅はホームの幅が狭く屋根を支える柱が立っているので狭くなっている箇所が何カ所か有ります。Sさんが後ろから押してくれているものの車椅子の車輪が点字ブロックに引っかかり一瞬線路寄りに車椅子の向きが変わったときには私はビデオを撮っていましたが、ちょっと慌てました。
6時12分 さで東武野田線の車内は土曜日の早朝ということもあり6月20日のように混雑はしていませんでした。混んでいないのに乗車直後に座席の一番はじに座っていた人がJTさんに席を譲ってくれたお陰でポールに捕まってJTさんは安定した姿勢で座っていられたし、すぐ脇に車椅子を置くこともできました。
![]()
ところが車椅子は電車が減速して停車する度にグラグラと揺れて不安定です。その度にJTさんが押さえているのですが、どうも不安定です。そこで私のリュックサックの中を探しましたが、紐は入っていなかったのでパソコンとプリンターを接続するケーブルを取り出してポールと車椅子を結わえてようやく安定しました。 この日は大宮駅まで車内が一杯になって押し合いへし合いになることはありませんでしたが、Sさんは学生時代にボランティアで養護学校の修学旅行に常磐線のラッシュ時に何台もの車椅子の人を乗せて上野駅へ向かった事があるそうです。その時に感じたのは乗客の冷たい視線と抗議の目線だったそうです。
7時0分
![]() 2階へ上がって、予定より時間30分も早い7時に大宮駅に着いたこともありゆっくりJR大宮駅の改札へ向かいます。前日の連絡では改札を入り新幹線の改札で申し出れば内勤の者が対応するということでしたので新幹線用の改札で申し出ると「時間もあるし、暑いですから待合室でお待ちください。7時40分頃お迎えに上がります」ということで、前日に伝えておいた私とJTさんの名前をもう一度改札の人に伝えました。
![]() 改札の脇にあった売店で、朝食を取って居なかったSさんと私はお弁当を、JTさんはジュースだけを買って待合室へ入りました。3人とも普段起きない時間に起きたのでまだ頭が働いていなく、ボーっとしています。
7時45分
開口一番
途中で駅員が「荷物用のエレベーターを使うのですが、内部が臭いので我慢してくださいね」と言い出します。私も多くの駅で荷物搬送用業務用エレベーターを使っていることは知っていましたが、臭いとは知りませんでした・・・・。確かに生ゴミのような、トイレのような複雑な臭いです。でもこの際8時の列車に間に合ってくれれば文句はいうまい!。 まあ、おもいっきり汗をかきましたが、10分前にはホームに上がることができました。
![]() ホームで駅員に切符を見せて、山形駅でのサポートが受けられるように連絡を入れるようにお願いしてから、14号車13JTBの、乗車口に案内してもらいました。8分後には「つばさ181号」が入ってきて、後から加わった駅員とJRさんの車椅子を抱えてデッキの中へ乗せてくれました。うしろから「では行ってらっしゃい」の声と共に彼らの仕事は終わり。
8時0分 JRの初っぱなからトラブルはありましたが、3人で13,14の座席を向かい合わせにして座って、お弁当で朝食を取り、暫くお喋りをして宇都宮を過ぎたあたりで3人ともお休みなさい。 私が気がついたのは郡山を過ぎて福島駅に到着する直前で、JTさんにおはようと声を掛けられてしまいました。 福島を出ると、米沢、高畠、上山温泉、そして終点の山形で約40分ほどです。福島-米沢間は峠越え、米沢-山形間はのどかな田園風景の中を走って行きます。
10時30分
![]() ![]()
今回の列車旅行を行なうに当たりJTさんはずいぶん長いこと悩んでいました。
同行者が疲れ果ててしまうのではないか?
なにより、JTさんは”たった2日間でしたが長旅をしたような感じでしたし、とてもhappyでした。”と感想をくれました。
|