キャバリア・リリー日記 貧富の差 (2010/12/11) |
昨年の今日は
2009年12月11日 |
家と学校の間にある小さなバプテスト教会の前で
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遅れてきたロロイちゃんも一緒に
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今日はミンダナオ島の市街地以外の生活の紹介
市街地をちょっと外れるとこんな家が並んでいる所がたくさんあります
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これ、物置ではありません。これでも雨風をしのげる家なんです
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そして2008年12月21日
LabasonからDepolog経由でOzamisまでVハイヤー(乗り合いバス)で8時間掛けて
Jaeny(当時8歳)とJean(当時9歳)が我が家にやってきました
Gigiの母親が養子として引き取り、それでも面倒を見ることが出来ず他人に預けていました。
そして上の写真のような家に住み、満足な食事も出来ず、
もちろん洋服なども1年に1度、中古が買ってもらえればラッキー
学校には通えるけど、ノートや鉛筆も買えず、昨日のような学校のイベントはお金が無くて参加できない
そんな生活を送っていたジェニーとジアンでした
それはジェニーとジアンだけではなくGigiを含む5人の兄弟も
同じようにばらばらに引き取られ、別々に育てられてきたのです。
兄弟によっては小学3年生までしか就学できず、ハイスクール(日本の中学生)にも行けなかった者もいます
貧富の差が激しいフィリピンの現実です
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そして2008年に私たちが引き取ったジェニーとジアン、そしてジュリナ
今までの生活から比べればそれは超リッチな生活です
シンデレラストーリーそのものでしょう
Gigiは子供たちに徹底的に家事を教え込んでいます
掃除、洗濯、食事の準備から後片付けまで
「今から教えなければ将来困るから」がGigiの説明です
朝、起きるのが遅かったりシャワーが遅かったりしたら大声で怒られています
掃除や片付けが不十分だとほうきの柄で叩かれたりします
それでも、実の父親から怪我をするほど暴力を受けたり、
蒸発してしまった母親の経験など無かったかのように明るく素直に育っています
(それでも夜寝るとき「明日はママ(Gigi)が怒らないように」とお祈りしているみたい)
この写真は2年前の我が家に来たばかりの時
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でも、日本は少子高齢化、働き手人口の減少
生産・経済の空洞化
日本の技術力の高度化とは裏腹の研究分野の空洞化
発展途上国の技術力の向上とともに、高度化過ぎた技術が受け入れられなくなる日本
(イノベーションのジレンマ―技術革新が巨大企業を滅ぼすとき)
デフレの次に来る生産、消費の不均衡から来る貧富の拡大
大学を卒業しても就職が出来ない人達、疲弊している30代40代の働き盛りの人達
減少しない自殺者とその影で心を病む人々
税金の高騰や社会保障制度の行き先不安
日本の限界集落と、上の粗末な小屋の写真とどこが違うのか?
もしかしたら、日本の将来はこのあばら小屋の世界へ向かうのではないか?
ところが、日本はそれだけでは止まらない。
フィリピンは大家族、子たくさん。一見して貧困と矛盾するように見えても、
困ったときには誰かが手助けをするという事が日常的に行われている。
日本のように幼児虐待や赤ちゃんを殺してしまうと言うことはない。
だからGigiがいて、ジアン、ジェニーが今、居るわけだ。
はたして、冷え切った日本に再生するだけの力が残っているのか?
私のここでの精神科の主治医が
「お金があって豊かだけど、疲れきっている日本と、お金は無いけれど、
心豊かなミンダナオの生活、どっちがいい?(ニコ!)」
私個人としてはまだ答えが出せないで居る
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2010年12月10日 2010年12月14日 |